うつを◯◯の人に救われた人の話

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初のインタビュー記事になります。

交流会で知り合った、気さくな女性(仮称:あいさん32才)にお話を伺いました。

人によってはバッドエンドに読まれるかもしれませんが、私にはハッピーエンドかな、と思っています。

うつになった経緯

あいさんは、20才のとき、動物園の飼育員として働き始めました。同僚は4人。初めは仲良く仕事をしていました。

しかし、あいさんが仕事上でやるべきではないことをしてしまった日を境に、3対1の人間関係の構図ができあがってしまいました。

それから同僚とコミュニケーションをとるのは仕事上の話だけ。特に注意を受けるときくらいだったそうです。注意を受けたり、怒られたりすると自然と涙がでるようになりました。

孤独感、仕事ができない不甲斐ない自分に過剰なストレスを感じ、ストレスの掃き出しは自傷行為になっていきました。

今でこそ「狂ってましたね笑」と振り返っていますが、当時は自身の左腕を殴る、つねるを日常的に、普通に行っていたそうです。結果、腕は真っ青。

死ぬなら武士を真似ようと、職場にある包丁で「切腹しようかな」と考えたそうです。しかし、刃がボロボロで痛そうでやめたともいっていました。今ではその話は「他の包丁でも痛いでしょ笑」と反応される笑い話になっているそうです。

食欲もなく、食べるのが面倒だと感じていたそうです。

そんな状況が1年ほど続いていました。それに上司が気づいて退職を勧められ、辞めることになったそうです。

生活リズムはどうだったか

とにかく仕事ではつかれたそうです。肉体労働であることも原因でしょうが、うつ状態で働いたことにより、過剰な疲労感を覚えていたのではないかと思います。

18時頃に帰宅したらそのまま寝てしまい、深夜の2時に起きていました。目が醒めているので、走りにでかけます。

帰宅後、風呂に入り、寝ないでそのまま出勤という日々を送っていました。

時には、走っている途中、浜辺に横になり、ぼーっと星空を眺めていて気づいたら寝てしまい、朝を迎えるといったこともあったそうです。

お酒を飲む習慣もあったそうです。なぜ飲んでいたのか聞いても、特に理由はなく、周囲は日本酒やビールが多いため、1人で飲むときはカクテルなど甘いお酒を選んで、毎日1本飲む程度でした。

溜まりに溜まった空き缶に親が心配してきたこともあったそうです。

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仕事を休む気はなかったのか

発想自体なかったそうです。お金が必要だとか、夢があるからとか、特にそういう理由もなく、休むという発想自体がでてこず、ただ仕事に通い続ける状態になっていました。

ただひたすら、耐える。そんな日が続いたそうです。

周りに相談できる人はいなかったのか

あいさんの職場は、勤めるが簡単ではなく、一緒に受けた親友は不合格だったそうです。

それにより、疎遠状態でもあり、また、せっかく受かった職場なのに愚痴をいうことはできない、ぜいたくだ、という意識もあったそうです。

親にはやはり心配をかけたくなくて相談せず。

職場では心を開けなくなっていて相談せず。

1人で耐える状況に陥っていました。

どうやって回復したか

退職後、別の職についても長続きせず、2年経たないで転職しました。

そんなこんなで、生活をしていたとき、疎遠になっていた親友から連絡がきたそうです。

その時やっとうつ状態であることを告げることができました。すると、そういった悩みについて、相談する相手として、SEの女性(仮称:さえさん)を紹介してもらうことになりました。

小さい頃から、あいさんはファンタジーや小説が好きで、あまり人が好きではなかったと振り返っています。

しかし、さえさんに出会い、「人に会うこと、本を読むこと」を勧められ、徐々に考え方が変わり、人を好きになっていったようです。理屈でなく、さえさんをみてコミュニケーションを感じ取り、学び取ってきたそうです。

たしかに初対面で嫌な感じは全くしない方でした。

あいさんは、今では積極的に交流会にも参加しています。

そして、定期的にさえさんに会い、色々なことを学んでいるとのことです。

話をきいていて、私は気づきました。

宗教やネットワークビジネスですか?

「…そういうのどう考えていますか?」とあいさんは不安げに聞き返してきました。

私は、特に偏見がないことを伝えました。

すると、実はさえさんはネットワークビジネスの人で、初めてそういう人に出会ったと打ち明けてくれました。もちろん、親友も同じです。

20才から働き始め、今まで6社ほど転職しているとのことでしたが、ネットワークビジネスは唯一続いているとのことでした。

去年久しぶりに落ち込んだとき、さえさんに誰かに相談することが申し訳なく感じていることを話したとき、こんなことを教わったそうです。
「人からもらったエネルギーは、元気になった後、2倍、3倍にして返してあげればいいんだよ」

親友はすでに辞めてしまった今も、さえさんに学びながらがんばっているようです。

うつの直し方

生活習慣を正すことがうつ改善になるとネット上でもお医者さんからもきいていたため、きいてみました。

「睡眠や食を改善していたらうつは軽減されていたと思いますか?」

あいさん「ん〜…してなかったと思います。やはり発端は人間関係で、よくなったのも人間関係でした。

今後、うつに悩む人がいたらどうしますか?

「自分の経験を話します。自分の経験しか伝えることができません。そして自分と同じ選択をしてくれたらうれしいですが、しなくてもそれはそれでその人の意思なので尊重します。」

これには私も共感しました。

「結局、立ち直るのは自分ですし」

これは難しいところだと思いました。

自分でうつに気付かず、どうすればいいのかわからない状態から、自力で回復というのは想像しにくいです。一方で、治したいという思いを心の底で思って、もがいているかどうかで結果は変わるかと思います。

あいさんは、さえさんを紹介してもらうとき、いつもなら断っていたそうです。しかし何を思ったか珍しく応じたとのことでした。

まとめ

どうお感じだったでしょうか。

「とにかく治ってよかった」と思う方もいれば、「うつになって判断能力が下がってマルチに捕まった」と思う方もいるんじゃないかと思います。

解釈も無限ですが、ただ1ついえることは、だれかを救える人が何をやっている人かはわからないものである、ということではないでしょうか。

あいさんのうつ

あいさんのお話の中から、特徴的なのは、どれも自覚がないことだと思います。

うつ状態であることも自覚なく、自傷行為も自覚なく、現状から抜けることについて考えることもなく。淡々と追い詰められた状態を維持し続けていたことが難しいところだと感じます。

そして、人間関係がキーワードでした。原因も回復のキッカケも人でした。

あいさんの現在

また転職し、営業として働くそうです。

活き活きとしていました。

自分の芯をもって、批判の多いであろう選択肢をとり励んでいる姿は印象的です。

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